【南海トラフ地震】被害想定220兆円 避難者950万人
昨夜、南海トラフ地震による被害想定額、予想避難者数が発表されました。
国の中央防災会議の作業部会「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」(WG)は18日、南海トラフ巨大地震に伴う経済やライフライン、交通など第2次の被害想定を公表した。被害額は計220兆円で従来想定の約3倍、国家予算の2倍超。ピーク時の断水被害人口3440万人▽停電2710万件(契約数)▽避難者950万人--と推計された。被災する可能性のある人口は国民の過半数の6800万人に上り、中・西日本の太平洋側の住民が深刻な被害を受ける。
報告は、耐震化率を現在の79%から100%にするなど対策を進めると被害額は半減するとして、防災対策の重要さを強調している。
被害額はフィリピン海プレートと陸側プレートの境界のより陸側で地震が起き、東海地方が津波の大きな被害を受けるケースで推計。揺れや津波、火災による直接的な被害は東日本大震災の約10倍の169.5兆円となる。生産の低下やサプライチェーンの断絶などによる間接的被害の50.8兆円と合わせて220.3兆円に上る。
都道府県別の直接的被害では愛知県が30.7兆円で最大。大阪府24兆円、静岡県19.9兆円が続く。多くが住宅や企業、工場の損壊によるもので、公共施設では港湾や下水道の被害が目立つ。間接的な被害では、対GDP(国内総生産)比で自動車産業や鉱業の影響が大きくなった。
ライフラインについては、太平洋側沿岸の県で全世帯の約9割が停電、断水する他、被災直後には全国180万戸で都市ガスの供給がストップ。930万回線の固定電話が不通になり、携帯電話も固定電話とほぼ同じ区域で不通となる。都市ガスを除いたライフライン被害は東日本大震災の3~15倍に上る。
避難者が最大になるのは発生約1週間後で約500万人が避難所に殺到。発生直後にはターミナルなどに京阪神と中京圏で計1060万人が一時滞留し、それぞれ270万人と110万人が帰宅困難者となる。飲料水は1週間で1億リットル以上が不足。インフラも大打撃を受け、道路は約4万カ所、鉄道は約2万カ所、港湾の防波堤は135キロが損傷する。
原発については、発生直後に自動停止するとして被害は想定しなかった。また、高層ビルなどを大きく揺らす長周期地震動を考慮した被害は推計していない。
WGは東日本大震災を受け、想定外をなくす観点から最大クラスの地震を設定。発生頻度については「1000年に1度、あるいはそれよりもっと低い頻度で発生する」と初めて明言した。
◇南海トラフ巨大地震
駿河湾から九州沖に延びる浅い海溝「南海トラフ」沿いを震源とするマグニチュード(M)9級の巨大地震。付近では90~150年間隔でM8級の大規模地震が繰り返し発生しており、トラフ沿いの東海、東南海、南海の3領域それぞれを震源域とする大地震への対策がとられてきた。しかし、国は東日本大震災を教訓に、3領域に日向灘などを加えた震源域で連動して起こる巨大地震の想定を開始。最悪のケースでは、震度7の揺れが10県151市町村を襲い、10メートル以上の津波は5県27市町村に、浸水域は1015平方キロに及ぶとした。昨年8月に出された第1次被害想定では、死者最大32万3000人、倒壊建物同238万6000棟。
みなさんは、地震に対する準備は万端でしょうか。
地震は、いつどこで起こるかわかりません。地震の発生をくい止めることはできない としても、日ごろからの地震に対する備えや、地震が発生したときの対処の方法によって 、被害の程度を最小限に抑えることはできるのです。
今一度、普段から家族みんなで、防災について話し合い、災害時の備えを万全にしておきましょう!